唐人お吉』(とうじんおきち)は、1931年(昭和6年)、川村花菱による日本の戯曲であり、同作を原作とし、1935年(昭和10年)に新興キネマ東京撮影所製作、冬島泰三監督による日本の映画である。

略歴・概要

実在する人物・斎藤きちに取材した戯曲は、川村花菱のほか、真山青果、山本有三等がある。川村版の新派の戯曲の初演は、1931年(昭和6年)、帝国劇場で初代水谷八重子が主演したものである。

同戯曲を原作に、1935年(昭和10年)、川口松太郎が映画用に脚色、冬島泰三が監督し、舞台でも主演した初代水谷八重子がお吉役を演じ、新興キネマ東京撮影所(現在の東映東京撮影所)が製作、新興キネマが配給し、同年1月5日に公開されている。主題歌の新橋喜代三『唐人お吉』、東海林太郎『下田しぐれ』は、同年2月にポリドール・レコード(現在のユニバーサルミュージック)から発売された。

村松春水、十一谷義三郎原作も含めて「唐人お吉」をテーマとした映画作品は、合計7作存在する。⇒ 斎藤きち#作品化

この冬島泰三版の映画『唐人お吉』は、いずれも東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されておらず、いずれもマツダ映画社の「主な所蔵リスト」には掲載されていない。現在、鑑賞することのできない作品である。

映画

唐人お吉』(とうじんおきち)は、1935年(昭和10年)製作・公開、新興キネマ東京撮影所製作、新興キネマ配給による日本の長篇劇映画、女性映画である。

スタッフ・作品データ

  • 監督 : 冬島泰三
  • 原作 : 川村花菱
  • 脚色 : 川口松太郎
  • 撮影 : 古泉勝男
  • 美術 : 伊藤憙朔
  • 時代考証 : 山村耕花
  • 録音 : オリエンタル・システム
  • 主題歌 :
    • 『唐人お吉』、歌唱新橋喜代三、作詞藤田まさと、作曲近藤政二郎
    • 『下田しぐれ』、歌唱東海林太郎、作詞藤田まさと、作曲森義八郎
  • 上映時間(巻数 / メートル) : 79分(11巻 / 2,177メートル)
  • フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ(1.33:1) - モノラル録音
  • 初回興行 : 浅草・電気館 / 新宿・新宿帝国館 / 新富町・新富座

キャスト

  • 水谷八重子 - お吉
  • 澤村田之助 - その恋人鶴松
  • 伊井友三郎 - 町奉行支配組頭伊佐新次郎
  • 早川雪洲 - タウンセント・ハリス
  • 村田みね子 - 伊勢善の女将
  • 米津左喜子 - お吉の伯母おせん
  • 宮島啓夫 - 通訳ナタルヒュースケン
  • 西条静子 - 女中お春
  • 根本淳 - 遠藤弥四郎

関連事項

  • 唐人お吉 - 曖昧さ回避
  • 斎藤きち#作品化 - 小説・戯曲・映画のリスト

外部リンク

  • 唐人お吉 - 日本映画データベース
  • 唐人お吉 - IMDb(英語)

『唐人お吉の生涯 (前半)』 Tojin Okichi ~ 悲劇のヒロイン ~ YouTube

唐人お吉 キャストと登場人物 (画像付き) 動画

唐人お吉 YouTube

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日本開国に貢献した「唐人お吉」芸者衆が花を捧げ冥福祈る YouTube