リチャード・トンプソン(Richard "Torpedo" Thompson、1985年6月7日 - )は、トリニダード・トバゴの陸上競技選手。2008年北京オリンピックの銀メダリストで、100mのトリニダード・トバゴ記録保持者である。
経歴
トンプソンは、トリニダード・トバゴのカスケード出身。100mを専門とする選手で、ルイジアナ州立大学でも活躍。2008年の全米大学選手権100mのチャンピオンである。
トンプソンは2007年に大阪で開催された世界選手権に出場。しかし、2次予選で8人中8位という結果に終わった。トンプソンの2007年までの100mの自己ベストは10秒09であった。
トンプソンは、2008年北京オリンピックの100mに出場し、2次予選では、同じ組の優勝候補アメリカのタイソン・ゲイを押さえ9秒99の1位で準決勝進出。準決勝では、今度は9秒93の自己ベストで、ジャマイカのアサファ・パウエルに次いで2位(全体では3位)で決勝進出を決めた。そして、決勝では5レーンを走り、世界新記録で圧勝したジャマイカのウサイン・ボルトに大きく離されたものの(0秒20差)、9秒89と自己ベストをさらに更新。トリニダード・トバゴにとっては、2000年シドニーオリンピックのアト・ボルドン以来の男子100m銀メダルとなった。
トンプソンは、さらに、4×100mリレーにも出場。予選では、アメリカ、イギリスなど強豪国がバトンのミスで失格する中、38秒26の予選トップで決勝進出。キーストン・ブレドマン、マルク・バーンズ、エマヌエル・カランダーとともに挑んだ決勝ではアンカーを務め、3位でバトンを受け継いだトンプソンは、2位の日本の朝原宣治を抜き38秒06でゴールし、銀メダルを獲得。その後、このレースで金メダルを獲得していたジャマイカチームのネスタ・カーターのドーピングの検体の再検査で禁止薬物の陽性反応を示したため、2017年に2位以下のチームは繰り上げとなり金メダルとなった。トリニダード・トバゴのトラックのリレー種目としては1964年東京オリンピックの4×400mリレーの銅メダル以来のメダルとなった。
2011年8月13日、トリニダード・トバゴ選手権の100mにて9秒85( 1.0 m/s)を記録し、アト・ボルドンの持っていた9秒86のトリニダード・トバゴ記録を更新した。
2014年6月21日、トリニダード・トバゴ選手権の100mにて9秒82( 1.7 m/s)を記録し、自身の持つトリニダード・トバゴ記録を0秒03更新した。これは当時世界歴代9位の記録であった。
自己ベスト
- 60m - 6秒51 (2008年3月14日)
- 100m - 9秒82 (2014年6月21日)
- 200m - 20秒18 (2008年5月30日)
主な実績
- qfは2次予選、sfは準決勝
脚注
外部リンク
- リチャード・トンプソン - ワールドアスレティックスのプロフィール(英語)
- リチャード・トンプソン - Olympedia(英語)
- Usain Bolt runs 9.69 for World Record in 100m - YouTube(英語)
- TBS「世界陸上ベルリン」 リチャード・トンプソン




