88式自走対空機関砲(中国語:88式自行高射炮)は、中華人民共和国で開発された装軌式の自走対空砲である。PGZ-88とも呼ばれる。

概要

80式自走対空機関砲の後継として開発された車両で、1978年から開発が開始された。1986年にはレーダーを装備しない先行モデルが初公開され、1988年末にはレーダーを搭載して砲塔形状を変更したモデルが公開されている。開発は、中国北方工業公司(NORINCO)傘下の第497工場(重慶王江機械工場)が担当した。

主砲は艦載用の76式37mm連装機関砲(H/PJ-76)を車載化したもので、給弾はベルト式で各砲に250発の即応弾が用意されている。射撃速度は1門あたり毎分360-380発である。

砲塔は全周旋回の密閉式で、砲塔旋回速度は毎秒最大60度、砲俯仰角はマイナス10度からプラス87度で、俯仰速度は毎秒最大40度である。砲塔には測距機能付きの捜索レーダー、レーダー連動式の敵味方識別装置、電子光学式複合照準装置(ペリスコープ型光学照準器、レーザー測距儀、射撃管制メカニズムを含む)などで構成された射撃管制システムが搭載されており、全天候下での交戦が可能で、目標への対応速度は平均して6-12秒とされている。また、ECCM能力も有している。捜索レーダーは砲塔上面後方に搭載されており、捜索時は毎分30回転で動作し、使用しない場合は後方に倒しておくことができる。探知距離は最大で15km、探知高度は3,000mである。メーカーでは、本車は高度3,000m以下を飛行する秒速350mまでの飛行目標と、地上目標との交戦が可能だとしている。ちなみに、レーダーを装備しない先行モデルでは、「JM832」という名称の昼間用射撃管制システムが搭載されていた。

車体は69式戦車をベースにしており、同車のコンポーネントが多用されているが、装甲を薄くして新規に製作された専用車体である。全長7.22m、全幅3.27m、全高は3.4mで、戦闘重量は35t。最大速度は時速50km(路上)で、航続距離は420km(路上)である。乗員は4名で、車長・砲手・目標追尾手・操縦手で構成される。

1988年に人民解放軍で制式採用された。24両が生産されたが、性能が不足していると判断されて大量生産は行われなかった。輸出実績も確認されていない。

運用国

  • 中華人民共和国 - 24両。2023年時点で、中国人民解放軍陸軍が6両を保有している。

脚注


87式自走高射機関砲

平成10年 東千歳駐屯地 創立記念 装備品展示

육상자위대의 주력 대공화기 87식 자주고사기관포(87式自走高射機関砲) 네이버 블로그

87式自走高射機関砲 by さそー (ID:4813723) 写真共有サイトPHOTOHITO

高射教導隊の87式自走高射機関砲