関東鉄道キハ0形気動車(かんとうてつどうキハ0がたきどうしゃ)は、関東鉄道が1982年以降に運用している通勤型気動車である。

国鉄キハ20系気動車の機器を流用した車両で、国鉄の気動車の機器を流用したキハ310形と同様の手法で製造されたが、キハ310形とは異なり、車歴上では新製として扱われている。

本形式は奇数番号と偶数番号の車両を固定式連結器で連結、運行開始当初から常総線で初めて2両固定編成として導入された。以降、完全新造車を含め新造の2両固定編成は、キハ2300形2309・2310まで導入が続いている。

車両概説

本節では、登場当時の仕様を記述する。

キハ0形は全長20,000mmの全金属製車体で、全幅は2,884mmである。キハ310と異なり、側面の雨樋については縦樋が車体に埋め込まれている。

本形式は奇数番号と偶数番号の車両を固定式連結器で連結した2両固定編成とし、常総線の車両としては初めて連結面に貫通幌が設置された。関東鉄道では本形式を「ユニット車両」と呼称している。

正面は貫通扉付正面3枚窓であるが、前照灯を前面窓の下に配置し、正面貫通扉の上部にはキハ900形以来となる方向幕が装備された。側面には扉を3箇所に配置しており、3つとも両開き扉となっているが、扉の窓はキハ310よりも大型化された。車内の座席配置はロングシートである。

運用

1982年7月に常総線の南守谷までの区間で複線化が完成した際に、キハ001・キハ002の2両が登場した。1983年12月にはキハ003からキハ006までの4両が増備された。さらに1984年12月にはキハ007・キハ008の2両が増備された。

1996年(平成8年)に冷房化され、エンジンがキハ2100形と同じDMF13HZに換装されている。

2021年6月19・20日開催の「ありがとうキハ007・008号 乗車会&撮影会」をもって、キハ007・008が定期運用から離脱。

2021年12月4・5日開催の「ありがとうキハ005・006号 乗車会&撮影会」をもってキハ005・006が定期運用から離脱。

脚注

注釈

出典

参考文献

書籍

  • 森本富夫、諸河久『私鉄の車両8 関東鉄道』保育社、1985年。ISBN 4586532084。 

雑誌記事

  • 「ディーゼル王国 関東鉄道」『鉄道ジャーナル』第246号、鉄道ジャーナル社、1987年5月、81-90頁。 
  • 藤岡雄一、服部朗宏「私鉄のキハ10系」『鉄道ピクトリアル』第637号、電気車研究会、1997年5月、49-53頁。 

関東鉄道 キハ0形 常総線 Kanto Railway Joso Line YouTube

関東鉄道キハ0形気動車 002 取手駅 (関東鉄道) 鉄道フォト・写真(拡大) by tokadaさん レイルラボ(RailLab)

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