報光寺(ほうこうじ)は、愛知県江南市古知野町本郷114にある真宗大谷派の寺院。山号は高雲山。本尊は阿弥陀如来。山門(楼門)は江南市指定文化財、本堂は登録有形文化財。
歴史
天台宗時代
当初は天台宗であり、鷲林山薬王寺と呼ばれていた。仁寿年間(851年~854年)に慈覚大師が創建したとされるが、やがて廃寺となった。
真宗時代
貞永年間(1232年~1233年)に親鸞上人が帰洛した際、この地の住民を教化して念仏道場とした。嘉禎元年(1235年)、親鸞から相続口訣を授けられた性信(性信坊)が再建し、武蔵国浅草の高龍山報恩寺から一字を採って高雲山報光寺とした。永正年間(1504年~1521年)には下総国岡田郡横曽根村(現・常総市)の報恩寺(二十四輩、坂東報恩寺)の9世蓮證が報光寺に入り、恵達の代で二十四輩格を授かった。
安政2年(1855年)、23世の瑞閑が本堂を再建したとされる。東側の通りに面する楼門の山門は、1876年(明治9年)に東春日井郡小牧の正眼寺から買い受けて移築したとされる。
境内
- 本堂
- 山門
- 山廊
- 庫裏
- 鐘楼
- 輪蔵
文化財
市指定文化財
- 報光寺の山門
- 江南市指定文化財(建造物)。1975年(昭和50年)12月2日指定。
- 本瓦葺、楼門、欅造。楼門は桁行7.8メートル、梁間6.45メートル。山廊は桁行3.5メートル、梁間3.15メートル。中央に楼門があり、左右に対称の山廊がついている。近世末期に建築されたとされ、楼門の内部には釈迦三尊像が祀られている。
登録有形文化財
- 報光寺本堂
- 登録有形文化財(建造物)。2011年(平成23年)1月26日登録。
- 桁行11間半、梁行10間半、入母屋造、本瓦葺、3間向拝付の大型の真宗本堂である。広縁と落縁の幅は4.4メートルもあり、軒先まで含めると6メートルを超えている。堂内から広縁に至るまで丸柱(円柱)で構成されている。長らく棟梁は不明とされていたが、近年になって伊藤平左衛門の7世・8世と推定されるようになった。
現地情報
- 所在地
- 483-8273 愛知県江南市古知野町本郷114
- 交通アクセス
- 名鉄犬山線江南駅から北西に約300メートル。
脚注
参考文献
- 愛知県教育委員会事務局生涯学習課文化財保護室『愛知県の近代和風建築』愛知県教育委員会、2007年
- 『あいちのたてもの いのりのば編』愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会、2021年
外部リンク
- 報光寺の山門 江南市
- 報光寺本堂 文化遺産オンライン



